所在地 :栃木県那須町
家族構成:夫婦+子ども2人
規 模:木造 地上1階(平屋)+ロフト
敷地面積: 589.00㎡
建築面積: 170.98㎡
延床面積: 157.44㎡
施 工:ASJ那須スタジオ[株式会社槐工務店]
写 真:小川重雄
敷地は弧を描いた道路から東の池に向かって放射状に広がっており、管理が行き届いた別荘地内であるため、周辺の家は適度な距離を保ちながら建てられている。とはいえ南側の別荘は2.5mの壁面後退の先に配置されているので、開放的な窓を南側にとることは都会での生活から離れ非日常的な二拠点での生活を楽しむには不向きと思い、この敷地でしかできない大胆なプランを提案できればと着想した。
奥に行くに従って広がる南北の敷地境界に対しそれぞれ平行に二つの同じボリュームの箱を設置し、その中に個室と水廻りをすべて納めることから計画をはじめ、食事や入浴といった住まい手やゲストが共通で使用する部屋を池に面する東側に、和洋の寝室をその反対側にゾーニングしている。
二つのボリュームに挟まれた扇状の空間はファイヤースペースを兼ねた土間(上部はワークスペースになっている)そしてラウンジ、さらにカバードデッキへと繋がるっている。
池に対して屋根を持ち上げ断面的にも末広がりの形状にすることでこの敷地の特徴である東側のロケーションを室内に取込んでいる。
敷地のもつポテンシャルはそれぞれであり、建築はその場所だからこその形であればと考えている。この住宅はまさに地籍から導き出されたものとなったのではないだろうか。